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有形文化財(建造物)

公開日:2018年04月26日

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指定文化財解説 有形文化財・建造物

福徳寺阿弥陀堂 付厨子一基 (国指定)

大字虎秀(こしゅう)にある福徳寺阿弥陀堂(ふくとくじあみだどう)は、間口、奥行ともに3間4面板壁造りの廻縁(まわりえん)付きで、前面は精巧な蔀戸(しとみど)となっています。屋根は銅板葺き宝形造(ほうぎょうづく)りで、その勾配が美しく、頂には露盤(ろばん)・宝珠(ほうじゅ)が載っています。また内部は後方に寄せて来迎柱(らいごうばしら)をたて禅宗様須弥壇(ぜんしゅうようしゅみだん)が据えられています。

  阿弥陀堂の創建年代は明らかではありませんが、様式手法により鎌倉時代末期とされ、藤原期の流れを踏襲(とうしゅう)した、関東地方でも数少ない和様(わよう)建築です。一方内陣の須弥壇と来迎壁廻りは室町時代に属するものとされています。また、厨子(ずし)は檜(ひのき)の白木造りで、簡素で省略も目立ちますが、木鼻(きばな)の特徴や欄間(らんま)のすかしなどから、桃山時代前後と考えられています。厨子には鉄造阿弥陀三尊(てつぞうあみださんぞん)立像(県指定文化財)が安置されています。

  なお、昭和31年の復原修理により、側廻り柱間装備を復旧するとともに小屋組を旧に復し宝形造りに改め、茅葺(かやぶき)を銅板葺に変更するなどの整備が行われました。
福徳寺阿弥陀堂

長光寺の惣門 (県指定)

大字下直竹(しもなおたけ)の曹洞宗長光寺(ちょうこうじ)の惣門(そうもん)は、本柱・控柱ともに円柱の四脚門で、八角形の踏石上に建つ、桁行(けたゆき)、梁間(はりま)ともに2.75mの小建築ながら、禅刹によく調和した県下でも代表的な江戸時代初期の四脚門です。

  破風(はふ)その他軒廻りに補修のあとがみられますが、軸部はよく旧規を保ち、唐様(からよう)の組物、木鼻、蚊梁(こうりょう)を巻斗(まきと)に汲み込んだ手法、棟をうける太瓶束(たいへいづか)など、重厚な屋根を受ける軸部には気品があり、室町時代の流れを踏襲しています。 蟇股(かえるまた)には「丸にはね十字」の岡部氏の家紋が付してあります。

  昭和39年に従来の茅葺屋根を銅板葺に変更するとともに、失われていた門扉は寺に保存されていた断片により復原されました。
長光寺の惣門

常楽院不動堂 付棟札二枚扣帳二冊  (県指定)

大字高山にある常楽院不動堂(じょうらくいんふどうどう)は、柱間五間四面で、三間に二間の内陣の前に、三間に一間の礼堂(らいどう)がつき、その周囲に一間通りの庇(ひさし)を廻した形式で、内陣と外陣(げじん)の境を格子戸(こうしど)で仕切った密教仏堂の特色をそなえています。 

 身舎(もや)はすべて円柱で、柱筋もよく通り古い形式です。内陣左右には壇を構え、堅固な構造となっていますが、縦横に組架けた小屋組を見せているのは珍しいです。内陣背面の中の間は来迎壁(らいごうかべ)で、禅宗様の須弥壇(しゅみだん)を構え、大小三つの宮殿を安置しています。さらに外陣は開放的な作りとなっていますが、その上部の架構(かこう)は古い形式を踏襲しています。

  また、外部も、禅宗様の細部が混用されている以外は、長押でかためた軸部や連子窓(れんじまど)、柱頭の組物や軒廻りは和様となっています。屋根は入母屋(いりもや)茅葺(かやぶき)をトタン瓦棒葺に改修しています。

  天保2年(1831)の棟札には、棟梁4名の墨書をのせ、また当時県下でも著名な名匠を後見とするなど、一山をあげての復興事業の跡が窺えます。
常楽院不動堂

長光寺本堂 付銅鐘一口 伽藍配置図一枚 (県指定)

 大字下直竹にある曹洞宗長光寺(ちょうこうじ)の本堂は、表柱間11間、妻柱間7間半、茅葺(かやぶき)寄棟(よせむね)の大建築で、惣門(そうもん)・三門・本堂が一直線上に建つ禅宗様の伽藍(がらん)配置をしています。

 内部は土間、広縁(ひろえん)をとり、八室からなる平面構成で、2本の円柱を内陣に用いる他はすべて角柱とし、柱筋もよく通り乱れがありません。土間には床下に長い階が残っています。

  各部屋には長押(なげし)をまわしてあり、釘隠金具(くぎかくしかなぐ)を打っています。右側の余間は廻縁(まわりぶち)の下に蟻壁(ありかべ)をとり、天井長押にするなど重要な客の部屋となっています。いろりの間は、僧たちの団らんの部屋として利用されました。

  外陣(げじん)の入口は、二枚折桟唐戸(にまいおりさんからと)で両脇間は蔀戸(しとみど)であり、この部分の構えは、客殿と規を一つにしています。また、内陣は壁面板張とし、背面に一文字の壇を設け、天井は品のよい小組(こぐみ)格天井(ごうてんじょう)にしてあります。 

 本堂は内陣に来迎(らいごう)柱が使用された関東でも初期の事例であり、また細部に中世末から近世初めの手法を見せるなど、江戸時代初期の建物とみられます。
長光寺本堂

白鬚神社本殿 (県指定)

大字唐竹(からたけ)にある白鬚(しらひげ)神社の本殿は一間社流造で表柱間182cm、妻柱間164cm、向拝(こうはい)の出154cm、勾欄(こうらん)の出(表)86cm、同(妻)59cmであり、現在は新築された覆屋(おおいや)内にあります。

  身舎円柱(もやまるばしら)、向拝角柱でともに欅材を用いており、浜縁(はまえん)は表側を広くとり振隅(ふりすみ)です。階は七級で当初の浜縁束を残しており、屋根は目板葺(めいたぶき)です。向拝は、柱の内側に宝珠柱(ほうじゅばしら)をたてたので前面は賑やかで古式であり、斗栱(ときょう)なども洗練されています。

  身舎は両側と表側に椽(えん)勾欄を付していますが、ここでは胴と同じ大きさの宝珠、刎(はね)勾欄の切り口、玉縁(たまぶち)のない襷だけの竹の節等に特色がみられます。床は羽目板とし、正面に開口部をあけ、柱頭は斗組をおくが、桁下(けたした)に五斗を配した外部に広がらない平面的な斗組であり、中央の蟇股(かえるまた)の外部の壁面装飾も兼ねています。

  さらに珍しい形式の蟇股、上方にむかってはねる飾りをもつ懸魚(げぎょ)、高さの低い扠首束(さすづか)で安定感をもたせた妻飾りなど、神社建築の古制を踏襲した質の高い建物です。
白鬚神社本殿

名栗川橋 (県指定)

 名栗川橋(なぐりがわばし)は、入間川上流に架かる大正13年(1924)に竣工した鉄筋コンクリートアーチ橋で全長31m40cm、幅3m90cmです。

  建造当時、県下で唯一の鉄筋コンクリート造のアーチ橋であった比企郡玉川村(現ときがわ町)の玉川橋を実地踏査した上で、アーチ部分は県土木技師の櫻井哲三郎、床盤(橋梁本体)は川越工区長の小林近蔵、高欄は浦和工区長の松井某技手が設計を担当しました。県内に現存するものとしては最も古く、全国でも初期のものとされています。

  この橋の建設前には木造の「太喜橋(だきばし)」がありましたが、明治43年(1910)年の大洪水で破損しました。その後仮設の橋が架けられましたが、永久橋を望む声が上がり、下名栗区の予算、県の補助金、利用者からの寄付金により、大正13年4月に着工、9月に完成しました。9月21日には竣工式が行われ、10月1日には県知事、県議会議員、工事功労者のほか多くの一般参列者を迎え、開通式が盛大に行われました。

  現在でも、車輛が渡れる橋として使われています(重量制限がありますのでご注意ください)。
名栗川橋

長光寺三門 (市指定)

 大字下直竹(しもなおたけ)にある曹洞宗長光寺(ちょうこうじ)の三門(さんもん)は、楼門(ろうもん)、三間一戸、桁行(けたゆき)三間、梁間(はりま)三間、屋根は入母屋造鉄板葺です。惣門(そうもん)、三門、本堂と一直線上にあり、禅宗寺院の伽藍(がらん)配置となっています。

  外観は江戸時代後半の建築のようですが、二階の頭貫(かしらぬき)・台輪(だいわ)の木鼻の彫刻、斗栱(ときょう)の拳鼻(こぶしばな)の彫刻は、惣門、本堂来迎柱(らいごうばしら)のものと同一です。このため三門は惣門、本堂と同一時期の江戸時代初期に創建されたもので、この時に伽藍が再建されています。

  梁間は三間ありますが、梁間前面が半間になっているものは類例がありません。二階台輪上には禅宗様出組の詰組があります。 二階天井は前部が格天井(ごうてんじょう)、後部は棹縁天井(さおぶちてんじょう)で、柱は円柱のほかに方柱があり、方柱、腰組、腰嵌(こしばめ)等は新しい様相を呈し、江戸時代後半に改修されていると考えられます。
長光寺三門

店蔵絹甚 (市指定)

 店蔵絹甚(みせぐらきぬじん)は飯能の市街地・大通りのランドマーク的建造物です。通りに面して店蔵(店舗)、その奥に居宅(住居)、中庭を挟んで奥に土蔵の3棟の建物が所在しています。店蔵は明治37年に篠原甚蔵・長三によって建築されました。当時、甚蔵は絹甚で絹の買い継ぎ商を営み、繭や生糸、蚕種(さんしゅ)、絹織物を取り引きしていました。

  居宅は店蔵建築直後の建築とされ、土蔵は江戸末頃の建築と推測されています。平成19年度に復原修理工事を実施し、明治期の姿に復原されました。

  店蔵は、土蔵造り二階建て、切妻瓦葺き、黒漆喰仕上げで、人見梁は欅の一本梁で60cm×25cmの太さで来客者を圧倒します。框や大黒柱も欅材を使用し、全ての材が太いものを用いています。贅の限りを尽くした建物と言えます。下屋と座敷の境には揚戸が設置され、三段の板戸が人見梁の裏側に収納されます。

  二階の窓は広い開口を有し、通風や採光等の居住性を優先しているため耐火構造には欠けます。これは、飯能が過去に大火の体験をせずに済んでいることが影響しているものと思われます。
店蔵絹甚

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