子育て・教育

上町東遺跡発掘調査報告

公開日:2018年07月11日

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上町東遺跡 発掘調査について

上町東遺跡は飯能市大字中山および原町に所在する遺跡です。これまでに埼玉県埋蔵文化財調査事業団と飯能市教育委員会による調査(1次調査)が行われ、縄文時代中期末葉から後期初頭の竪穴式住居跡や近世以降の建物跡などが検出されています。

遺跡は北側の高麗丘陵、南側の浅い谷および東側の小河川によって挟まれた舌状台地先端の平坦面から斜面にかけて広がっており、現在も小川や湧水がみられる水に恵まれた土地です。

2次調査は台地縁辺の斜面端部にあたる場所で、平成30年4~5月に実施しました。縄文時代後期初頭以降に堆積した厚い暗褐色土(斜面堆積層)を掘り下げたところ、現在よりも急な斜面があらわれ、縄文時代に集落が営まれていたころの地形を復元するうえで重要な所見が得られました。また斜面直下の土層には水による影響がみられることから、斜面下の低地は川が流れる湿地のような場所だったと推定できます。さらにこの低地に面した箇所からは土坑がまとまって検出されました。低地に面して行われた何らかの活動に関わるものでしょう。当時の集落景観や縄文人の活動範囲を推測するうえで重要な成果といえます。

また1点のみですが古代の須恵器破片が検出されたことにより、付近に古代の生活痕跡が残されている可能性がでてきました。上町東遺跡は縄文時代だけでなく、古代から中・近世にいたる地域の変遷を考えうる遺跡といえます。

上町東1
土層観察用のベルトを残して斜面堆積層の掘り下げを行っているところです。土層の一部には地山茶褐色土や黄褐色土を主体とする薄い層が挟み込まれるように堆積している部分があり、斜面堆積の一部に人為的な関与があった可能性も想定できます。
上町東2
暗褐色土が斜面下方に向かって急激に落ち込む状況が確認できます。層中からは縄文土器片や石器片が検出されるため縄文時代に堆積したものと考えられます。焼土粒や炭化粒の存在も顕著に認められることから、台地平坦部から斜面上方において縄文時代の集落が営まれていた時期もしくは直後に堆積した土層と考えています。
上町東3
調査区からは8基の土坑が検出されました。斜面下方でみつかった4基の土坑は長軸1m弱の楕円形状を呈し、このうち3基は底面東寄りの位置に小ピットがある点でもよく似ていて定型化した遺構といえそうです。低地に面した同じ場所にまとまって構築されていることから、水に近い場所で行う何らかの活動に関する施設ではないかと考えられます。 

この記事に関するお問い合わせ 教育委員会 教育部 生涯学習課
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