子育て・教育

天然記念物

公開日:2019年04月08日

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指定文化財解説 天然記念物

滝の入タブの木 (県指定)

南高麗(みなみこま)地区から原市場(はらいちば)地区へ向う山王峠の手前、通称「時計台」から左へ入り、直竹川に沿った約700m上流右手に富士浅間神社があります。その裏山にあるタブの木は、樹高約20m、目通り5.5m、樹齢推定700年。特に下の枝は太く、東へ約17mも伸びています。 

タブの木は、クスノキ科の常緑高木で別名を「イヌグス」とも呼ばれ、温暖地によく自生します。日本、台湾、朝鮮、中国に分布しています。わが国では四国、九州、本州南部に多く見られますが、この滝の入(たきのいり)のタブの木は育成状況も良く、関東地方で最も内陸部に生息するタブの木の一つと言えるもので貴重です。

葉は有柄で互生し、枝の先に集中しており、光沢のある長楕円形です。5~6月ごろに新葉とともに円錘花序(えんすいかじょ)を出し、黄緑色の花を多数つけます。
タブの木

子の権現の二本スギ (県指定)

市街地の西北約15㎞、標高およそ600mの山頂にある天台宗別格本山天龍寺は「子の権現(ねのごんげん)」の名で親しまれている古刹です。その山門外に、南北に2本の大きなスギの木が立っています。

南木は目通り7.85m、根回り11.5m、北木は目通り5.4m、根回り7.7mです。二本スギは南北ともに台風、及び落雷のため本幹途中で折損しています。枝張りは2本併せて15m四方、推定樹齢800年といわれています。

この二本スギは昭和34年9月の伊勢湾台風による被害を受けており、特に北側の杉は地上10mあたりで折損しています。その後、昭和49年8月には南側大杉に落雷し、本幹の空洞内で発火したため、幹に穴をあけて消火しました。平成26年にも落雷による被害を受けています。

2本とも樹幹は空洞で、木質部の一部と樹皮とによって枝葉の栄養は支えられています。
二本スギ

見返坂の飯能ササ  (県指定)

天覧山(てんらんざん)裏手を下って、多峯主山(とうのすやま)への登り口、見返り坂(みかえりざか)にかかる地域内に、アズマネザサ等と混生して生息しています。

故・牧野富太郎博士によって発見され、地名をとって飯能ササと命名されました。

根茎は横に走り、茎はこげ茶色をして直立し、高さは150㎝内外、直径0.6㎝ほどになります。茎の上部で枝分かれして、ふつう葉鞘に包まれています。枝の先端には掌状様、羽根状に数枚の葉が集まってついています。葉は細長く、長さ13~20㎝、幅2㎝内外で先は尖っています。また葉の表面には毛がなく、裏面にビロード状の細毛があります。中央の脈は細く裏面に隆起しており、この両側に5~8本の脈を持っています。冬期には葉のふちは白色となります。
見返坂の飯能ササ  (県指定)

高山不動の大イチョウ (県指定)

奥武蔵高原の一角に古くから修験道場として知られた真言宗智山派常楽院(通称:高山不動)境内、不動堂への石段の登り口の崖上にある巨木が高山不動(たかやまふどう)の大イチョウです。

樹高約37m、目通り10m、根回り12m、枝張り18m四方で、樹齢は推定800年といわれています。樹幹は数本に分立し、梢にいたるまで大小多くの枝をつけています。根張りは崖下約5mに及ぶ範囲で互いに重なり合い、絡み合って地表を覆っています。また、樹幹からは多くの気幹が垂れ下がって壮観です。古くからこれを乳房に見立ててか、万葉名では「智智(ちち)」とも詠まれていました。 

また、この大イチョウは「子育て銀杏(こそだていちょう)」ともいわれ、育児期に母乳の不足する女性がこの木に祈願すると乳の出がよくなったと言われているのも、この気根の形状からきたものと考えられます。

イチョウはイチョウ科の落葉樹で中国原産、雌雄異株です。
大イチョウ

飯能の大ケヤキ (県指定)

市街地から南東へ約1㎞、大字川寺(かわでら)にある神明神社境内に抜きん出て傘をひろげたように立つ落葉樹が飯能の大ケヤキです。

樹高は約28m、目通り6.5m、根回り11m、枝張り東西29m、南北24m、樹齢推定700~800年です。

その昔、奥ヶ谷神明神社とも呼ばれたこの神前に、端然と根を張る大ケヤキの枝下9mにも及ぶ本幹はみごとな直幹で、その上から枝は四方に広がっています。樹勢は極めて旺盛で、その整った容姿から若々しく見える。

ケヤキはニレ科の落葉性高木で、わが国の特産種です。樹皮は褐色をおびた灰色で、やや厚い鱗片状になってしだいに剥げ落ちます。葉は互生し、ふちに鋭く荒い鋸歯があります。春の4~5月頃に新芽とともに目立たない黄緑色の小花が開きます。

ケヤキは素朴な武蔵野の田園風景には代表的な存在で、埼玉の「県木」にもなっています
大ケヤキ

南川のウラジロガシ林 (県指定)

南川(みなみかわ)のウラジロガシ林は、ウラジロガシの群生地です。伊豆ヶ岳東斜面の浸食谷に位置して標高は340mあり、楢生谷(なろうやつ)と黄柏橋谷(きはだばしやつ)が合する地点で、東側は下流の川筋を望んでいます。北と東側は渓流で区切られ、合流地点に向かって20度~30度傾斜しており、地層は秩父古生層の輝緑凝灰岩から成り立っています。 

群生地は、山ノ神戸大山祇神社の背後にあって、同社の社叢を形成しています。その面積は外側の林叢を含めて約3,000㎡に及び、上層部は全般的にウラジロガシが優占し、局所的にはツクバネガシが占めています。下層にはヤブツバキ、ヒサカキ、アオキなどの照葉樹や、ベニシダ、ミヤマカンスゲがあります。着生植物としてはマメヅタ、カガミゴケが見られます。

群生地の植生は典型的な暖温帯林で、紀伊半島や伊豆半島、房総半島の海岸地帯の林相に類似し、組成や構造は多少異なりますが、内陸部にこのような暖帯照葉樹林が良好に生育しているのは珍しく、貴重な存在とされています。
ウラジロカシ林

モリアオガエル生息地 (市指定)

モリアオガエル
市街地から西南へ約12㎞、青梅市に接する大仁田山の山稜を背にして、標高およそ300~400mの山峡集落に、昭和35年頃からモリアオガエルの生息が認められるようになりました。この地は冬期、北風が山並みに遮られるため比較的温暖で、みかん、ゆず等の柑橘類の栽培も行われています。

モリアオガエルは、両生類でアカガエル科です。本州、四国、九州に棲んでいます。普通、緑色または暗緑色の地に赤褐色の不規則斑紋が背面に密にあります。雌で体長は6~9㎝です。
モリアオガエル卵
山地にいて5~6月ごろ池や水たまりに臨む樹上に白泡状の卵を産みます。11~12日目で卵塊は溶けて、オタマジャクシが水上に落ちて生育します。およそ40日で蛙になりますが、生体となった蛙のその後の移動、生態がどのようであるかは、追跡が困難なので未確認です。

近年ではモリアオガエルの産卵地域も逐次拡がっていて、この地域以外でも生息、産卵が確認されるようになりました。

カタクリ・イカリソウの群落 (市指定)

カタクリ
市の南部で、青梅市に隣接する岩井堂観音の東方約100m、県道の入間・富岡線に面して群生しています。ゆるやかな北斜面の栗林の中約20aの範囲に、早春はカタクリ、次いでイカリソウ群落が花を開かせます。

カタクリはユリ科の多年生草木で、山中の樹林中に生える日本特産種です。根茎は白色の肉質こん棒状の鱗茎で、地中20~30㎝ぐらいのところに数個集まっています。早春、この鱗茎から二枚の葉を出して、その中心から花茎が1本、15㎝ぐらいにのびます。葉は楕円形でやわらかくやや厚目、表面は淡緑色で紫色の斑紋があります。花茎の頂端に径4~5㎝の淡紫色の花を下向きにつけます。かつては花が終わって枯れた鱗茎から「かたくり粉」を作りました。万葉集の古歌には「堅香子(かたかご)」とあり、カタコユリ、カタコなど多くの呼名があります。
イカリソウ
イカリソウはメギ科の多年生草木で、花の形が船の錨に似ているのでこの名があります。我が国原産で、山地や丘陵の林間のような半日陰地に生えます。茎はふつう数本かたまって、高さ25㎝ぐらいです。葉は2回3出複葉を根生。4~5月頃、茎の先に淡紫色下向きの花を数個付けます。

竹寺のコウヤマキ (市指定)

大字南にある天台宗薬寿院八王寺は、広い境内にたくさんの竹が生い茂っていることから「竹寺(たけでら)」とも呼ばれています。行基菩薩(ぎょうきぼさつ)開基と伝えられる古刹です。

この寺の本坊前の庭に、古い歴史を物語るかのように大きなコウヤマキが生育しています。目通りの幹周り3.9m、樹高25m余に達していて、この木の特徴ともいえる深緑色の葉が集まって形づくっている細長い卵形の樹冠を見ることができます。

太田道灌(おおたどうかん)が植えたと伝えられることから「道灌槙(どうかんまき)」の名があります。

コウヤマキは、日本だけに生育する固有種で、一属一種の貴重な植物でもあります。枝に長枝と短枝があります。長枝の節部の回りに多数輪生する短枝の先に綿状の葉が着いており、傘の骨を開きかけて逆さにしたような形になっているため、葉が密生して見える特徴を持っています。

福島県以南の限られた山地に生育し、特に高野山周辺の山地に多いことで知られます。高野山の六木、木曾の五木の中の一種でもあります。高野山と関わりが深いということ、また、火にも強いということなどから、寺院の境内に植えられているのを時々見かけることができる木です。

コウヤマキ

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