「天覧山の鏡岩」「白谷沢のゴルジュ地形」が飯能市指定天然記念物に指定されました

更新日:2026年04月15日

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令和8年3月24日に飯能市指定天然記念物に、「天覧山の鏡岩」と「白谷沢のゴルジュ地形」の2件が指定されました。

「天覧山の鏡岩」

天覧山山頂の展望広場南側の直下、登山道の右手(北側)に垂直に切り立った崖が鏡岩です。
天覧山は下段が砂岩、上段がチャート※でできています。固いチャートは浸食されにくいことから、山頂部として残されたと考えられています。このチャートの大きな岩体に東西方向の断層が生じ、その断層面が擦り合わされ、鏡のように磨かれた状態となったものが鏡岩です。

このように、断層活動により生じた岩盤上の両側にある光沢のある面を断層鏡肌と呼びます。天覧山の鏡岩は、東西方向に幅約10m、高さ6mの三角形状、また、鏡面は西側に幅約7m、高さ約5mの直角三角形状に広がっており、黄褐色や黒色のチャートが鏡肌を呈しています。断層鏡肌は他でも見ることができますが、天覧山の鏡岩は、江戸時代の古地図ですでに名勝として知られていました。一例として江戸中期、元禄7年(1694)の藤井氏女記に「かがみ岩」を詠んだ和歌が記されています。
多くの人々に親しまれている天覧山において、ダイナミックな地形の活動痕跡を身近に観察することができる貴重な場所です。

 

鏡岩
鏡肌

「白谷沢のゴルジュ地形」

有間ダム右岸から棒ノ折山に通じる、白谷沢沿いの登山道を登り始めて約30分ほどのところにある特徴的な地形が「ゴルジュ」です。ゴルジュとはフランス語で「のど」を意味する言葉で、狭く切り立った岩壁に挟まれた谷を意味します。
白谷沢のゴルジュ地形は、沢の両側にチャートの岩壁が迫り、切り立っています。チャートは固い岩石ですが、断層によって脆くなった断層破砕帯が生じ、そこに沢が流れて侵食され、断層面が露出して、この地形が形成されたと考えられています。白谷沢のゴルジュ地形は延長約200mほどで、その内両脇の岩壁が迫る箇所が2地点あります。有間ダム寄りの地点は、岩壁間が2.7m、岩壁が約7m切り立ちます。更に奥の地点は、岩壁間が3.8m、岩壁が約10m切り立ちます。いずれも黒灰色のチャートでできています。
多くのゴルジュ地形は、河川の両側に広がり、川の中を進んで観察する必要がありますが、この場所は平常時、水量が少なく徒歩で観察できる貴重な場所です。

ゴルジュ地点1
ゴルジュ地点2

チャートとは、堆積岩の一つで、海底で放散虫や海綿動物の殻が堆積してできる非常に固い岩石で、層状を成すことが多い。この固さにより、風化しにくく、岩体として残る。
天覧山は、秩父帯住居附(すまいづく)ユニット、白谷沢は秩父帯高清水(たかみずやま)ユニットにあたります。これらのユニットは、中生代ジュラ紀に形成されました。このユニットに含まれる鏡岩のチャートは古生代ペルム紀、ゴルジュをつくる白谷沢のチャートは、中生代三畳紀に形成された岩石です。

※地層名は2025「地形地質ウォッチング!歩いて楽しむ飯能」飯能市教育委員会による

関東西縁丘陵は、約300万年前にプレートの動きにより日本列島が東西方向から圧縮されはじめ、秩父山地は隆起し、関東平野は沈降して海となった。隆起した山地が河川により侵食され、流れ出た海に堆積物が積もり関東平野が形成された。その時侵食されずに残ったのが、現在の飯能市街地がある関東平野の縁に位置する部分。
 

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