【平成28年4月号】幻の名所‐征矢神社の桜-

更新日:2023年01月31日

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幻の名所‐征矢神社の桜‐

征矢神社の桜の配置絵図と神社内の写真

 今年も桜の季節がやってきました。飯能市には桜の名所がたくさんありますが、市内征矢町にある征矢神社の境内外にも、かつてたくさんの桜が植えられていたことをご存知でしょうか。
 植樹が行われたのは明治25(1892)年、征矢神社の氏子有志11名の購入によるものでした。当時の記録によると、彼らは同年4月4日に110本、4月9日に20本の桜を、川越郭町(現川越市郭町)の水村清松という人物から購入しています。
 桜の樹の配置や数をあらわしたのが、上の絵図です。右上の凡例によると、赤い線は道路、赤い丸が桜、黒い丸は在来の杉や檜、松、雑木とされています。また左上には、それぞれの区画に植える樹の本数が書き込まれています(表1)。これを見ると、道路や敷地に沿って桜がびっしりと植えられたことがわかります。 さて、同じ場所の現在の様子を写したのが、絵図の下の写真(1・2)です。「官林」や「学校」は無くなり、当時の面影を偲ぶことはできません。神社の境内も、当時とは少し違っているようです。
 100本の桜が一斉に咲いた様子はどのようなものであったのか、今となっては想像することしかできませんが、きっととても華やかで美しかったに違いありません。(宮島)

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