水道料金の改定について

更新日:2026年04月01日

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安全・安心な水道水を、将来にわたって安定的にお届けするために

全国で水道管の老朽化を原因とした漏水事故が発生しています。本市の水道施設についても、昭和50年代から60年代に整備されたものが多く、建設から40~50年が経過しています。特に昭和50年代から平成初期にかけて布設された配水管の割合が高くなっており、こうした老朽管の破裂を起因とする漏水事故が発生する可能性が高まっています。
今後、老朽化した施設の更新や管路の耐震化を行うためには、多額の工事費用が必要となります。前回の水道料金改定(平成27年4月)から10年が経過する中で、古い施設の更新をはじめとする諸経費を見込み、経営の効率化、健全化に努めてまいりました。しかし、令和6年度からは赤字決算となるなど、水道事業の経営は厳しい状況にあり、現行の料金のままでは、必要な工事を行うことが困難な状態です。
必要な工事を怠ると、水道管の腐食による破裂や設備の故障等により、漏水や断水が発生したり、水質が悪化したりする恐れがあることから、令和9年4月を目途に水道料金の改定(値上げ)を実施することとし、改定作業を進めています。

収益的収支の推移
資本的収支と資金残高

水道の現状

本市の水道は、昭和5年に認可を受け、昭和7年11月に埼玉県下3番目の上水道施設として供用を開始しました。
その後、町村合併や人口の増加による水需要の増大に対し、4期にわたる拡張事業を実施し、第3期拡張事業では、埼玉県営の有間ダム建設計画に加入し、水利権を確保しました。そして、平成17年1月の旧名栗村との合併により、名栗簡易水道を編入しました。
県内の多くの事業体が、水源の多くを県水からの受水で賄っているのに対し、本市は河川からの取水割合が約87%と非常に高く、また共有財産である有間ダムや、小岩井、本郷、名栗浄水場のほか両吾野浄水場、上吾野浄水場といった多くの浄水場、配水場、ポンプ場等を有するため、施設・設備の運転や維持管理に多額の費用が必要となっています。

 

上水道事業の沿革
名栗簡易水道の創設.
取水施設一覧
浄水施設一覧
配水施設一覧

施設の更新需要の増大

今後も安全・安心な水道水を安定的にお届けするには、浄水場や配水場の耐震化及び設備の更新工事を計画的に実施し、運転や管理の効率化を図ることが必要です。
また、市内全域に張り巡らされた管路(水道管)は、令和6年度末時点で約462キロメートルに及び、日々水道水を供給する重要な役割を担っています。現在、多くの管路が耐用年数を迎えており、順次新しい管路への更新(交換)を進める必要があります。
管路の更新工事は、断水を防ぐために複雑な手順で進められ、新設の場合と比較してより多くの時間と費用を要します。そのため、今後の工事にかかる費用が水道事業経営に与える影響はさらに大きくなると考えられます。
しかし、こうした更新工事は安全・安心な水道水の供給を将来にわたり安定して続けるために欠かせない重要な投資です。この点について、水道水をご利用されている皆様にご理解いただくことが何より重要であると考えています。

年度別取得額

【主な建設改良工事の概要】
昭和30~40年代:本郷浄水場の拡張
昭和50~60年代:第3期拡張事業(有間ダム、小岩井浄水場ほかの築造)
昭和60~平成10年代:給水区域の拡張(永田台・赤沢・坂石配水場の築造ほか)、県水受水場の築造ほか
平成20年代:小岩井第二配水池、大河原第二配水池の築造、機械・電気・計装設備更新ほか

年度別取得延長
工事の様子
老朽管
漏水の写真

平成30年7月26日

大字飯能地内での漏水

給水収益の減少

少子化による人口減少、節水機器の普及や生活様式の変化等により、一人当たりの水需要(水の使用料)は減少しており、これに比例し、水道事業を経営するための大きな収入源である給水収益(皆さまからお支払いいただく水道料金)も減少傾向にあります。
人口及び給水人口の減少傾向は続き、令和12年度の推計給水人口は令和6年度実績77,103人から2,734人減の74,369人を見込みます。

上水道給水人口等
簡易水道給水人口等
上水道グラフ
簡易水道グラフ
用途別有収水量
有収水量グラフ
簡易水道有収水量
簡易水道有収水量グラフ

水道料金改定の必要性

以上のような状況を踏まえ、本市では令和9年4月1日から令和13年3月31日までの4年間を算定期間として収支を計算したところ、約9.9億円の収入不足が見込まれました。
現行料金を維持したまま必要な更新工事等を実施した場合、令和6年度以降も赤字経営が続き、累積欠損金は増加の一途を辿り、令和16年度には手持ちの現金など(内部留保資金)が枯渇する見込みです。
資金不足により工事を怠れば、水道管の腐食による破裂や設備の故障が発生し、それに伴い漏水、断水、水質劣化といった事態を招くおそれがあり、安全・安心な水道水の安定供給が困難になる可能性があります。
「蛇口をひねったら水が出ない」という事態を避けるため、将来にわたり安全で安心な水を安定してお届けするためには、現在の水道料金では大変厳しい状況となっています。

事業体比較

埼玉県下55事業体(上水道及び水道用水供給事業)との比較(令和6年度末現在)
(注意1)    家庭用1か月当たりの料金である。
(注意2)    消費税及びメーター使用料を含む。
(注意3)    口径別料金は13mmの料金

水道料金

県水について

水道事業の役割は、利用者の皆様に安全な水を安定して供給することです。そのためには、施設の経年劣化への対応、安全かつ安定的な運用、さらには気候変動による災害への危機管理対応が求められます。
例えば、平成16年の渇水では、県水を日量3,000立法メートル受水したことにより、断水を回避することができました。
また、本郷浄水場は老朽化が著しく、細心の注意を払って修繕と保守点検を行いながら稼働させていますが、万一事故等が発生した場合には給水に支障が生じる懸念があります。
本市水道事業が将来にわたり安全で安定した水の供給体制を維持するためには、自己水と県水の二系統の水源を確保することが重要かつ不可欠です。この方針に基づき、今後も給水量の13%を基準として県水を受水します。

配水系統図

水道事業経営の仕組み

水道事業は、「地方公営企業法」に基づき地方自治体が経営する《公営企業》であり、お客様からお支払いいただく【水道料金】によって事業費を賄う独立採算制となっています。

会計制度においても、官公庁で一般的に用いられている単式簿記とは異なり、民間企業と同様の複式簿記が用いられています。
また、市税や保険料(保険税)等を主な財源とする市役所の他の事業とも、会計(収支)が明確に分けられています。


会計の種類とその特徴

  • 一般会計・・・市税などを主な財源とし、福祉、衛生、土木、防災、教育など市の基本的な施策に充てられるものです。
  • 特別会計・・・国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療など、特定の歳入を特定の事業(サービス)に充てるよう、使い道が定められているものです。
  • 公営企業会計・・・特別会計の一種ですが、民間企業と同様の複式簿記を用いて事業運営を行うもので、水道、交通、病院などの事業に適用が義務付けられています。

公営企業会計のメリット

  1. 官公庁会計では見えにくい「資産」「負債」などの観点から経営の状況が明らかになり、他自治体との経営比較や財務分析が容易にできるようになります。
  2. 期間損益計算により費用を把握することで、料金収入に対する費用を明確にすることができ、より適正な料金の対象原価を算定できます。

水道料金の算定方法

水道料金の算定は、「総括原価方式」により算出します。
「総括原価方式」とは、水道事業の維持・運営に必要な費用である「総括原価」を算定し、これに見合う額を水道料金として定める方式です。
(注意)総括原価方式:「水道料金算定要領」(公益社団法人日本水道協会)に示された方式

総括原価 =  営業費用 + 資本費用
(料金収入) (総原価) (事業報酬)

  • 営業費用・・・既存の水道施設を維持管理していくための費用です。人件費、動力費、修繕費、委託費、減価償却費等が含まれます。
  • 資本費用・・・支払利息と資産維持費を合計したものです。事業の維持・継続のため、営業費用に上乗せして料金により回収するもので、事業報酬とも称されます。

(注意)資産維持費:対象資産×資産維持率(標準3%)
対象資産:料金算定期間における償却資産の期首及び期末の平均残高
(遊休資産を除く等、将来的にも維持すべきと判断される償却資産)

水道料金に係る関係法令

水道法


第1条(この法律の目的)
この法律は、水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道の基盤を強化することによつて、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もつて公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とする。

第14条(供給規程)
水道事業者は、料金、給水装置工事の費用の負担区分その他の供給条件について、供給規程を定めなければならない。
2 前項の供給規程は、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
一 料金が、能率的な経営の下における適正な原価に照らし、健全な経営を確保することができる公正妥当なものであること。
二 料金が、定率又は定額をもつて明確に定められていること。
三 水道事業者及び水道の需要者の責任に関する事項並びに給水装置工事の費用の負担区分及びその額の算出方法が、適正かつ明確に定められていること。
四 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
五 (略)
3 前項各号に規定する基準を適用するについて必要な技術的細目は、国土交通省令で定める。
(以下略)

 

水道法施行規則


第12条(水道法第14条第2項各号を適用するについて必要な技術細目)
法第十四条第三項に規定する技術的細目のうち、地方公共団体が水道事業を経営する場合に係る同条第二項第一号に関するものは、次に掲げるものとする。
一 料金が、イに掲げる額とロに掲げる額の合算額からハに掲げる額を控除して算定された額を基礎として、合理的かつ明確な根拠に基づき設定されたものであること。
イ 人件費、薬品費、動力費、修繕費、受水費、減価償却費、資産減耗費その他営業費用の合算額
ロ 支払利息と資産維持費(水道施設の計画的な更新等の原資として内部留保すべき額をいう。)との合算額
ハ 営業収益の額から給水収益を控除した額
二 第十七条の四第一項の試算を行つた場合にあつては、前号イからハまでに掲げる額が、当該試算に基づき、算定時からおおむね三年後から五年後までの期間について算定されたものであること。
三 前号に規定する場合にあつては、料金が、同号の期間ごとの適切な時期に見直しを行うこととされていること。
四 第二号に規定する場合以外の場合にあつては、料金が、おおむね三年を通じ財政の均衡を保つことができるよう設定されたものであること。
五 料金が、水道の需要者相互の間の負担の公平性、水利用の合理性及び水道事業の安定性を勘案して設定されたものであること。

 

地方公営企業法


第3条(基本経営の原則)
地方公営企業は、常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない。

第17条の2(経費の負担の原則)
次に掲げる地方公営企業の経費で政令で定めるものは、地方公共団体の一般会計又は他の特別会計において、出資、長期の貸付け、負担金の支出その他の方法により負担するものとする。
一 その性質上当該地方公営企業の経営に伴う収入をもつて充てることが適当でない経費
二 当該地方公営企業の性質上能率的な経営を行なつてもなおその経営に伴う収入のみをもつて充てることが客観的に困難であると認められる経費
2 地方公営企業の特別会計においては、その経費は、前項の規定により地方公共団体の一般会計又は他の特別会計において負担するものを除き、当該地方公営企業の経営に伴う収入をもつて充てなければならない。

第21条(料金)
地方公共団体は、地方公営企業の給付について料金を徴収することができる。
2 前項の料金は、公正妥当なものでなければならず、かつ、能率的な経営の下における適正な原価を基礎とし、地方公営企業の健全な運営を確保することができるものでなければならない。

この記事に関するお問い合わせ先

上下水道部水道業務課
電話番号:042-973-3661
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