絹本着色(けんぽんちゃくしょく)不動明王画像 (県指定)

更新日:2023年03月06日

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大字高山の真言宗常楽院(高山不動)が所蔵する不動三尊の軸物で、画面は縦2.8メートル、幅1.2メートルと大きな仏画です。

 中央の不動明王は、右手に三鈷剣(さんこけん)を握り、左手に索をとり、両側に矜羯羅(こんがら)、制吒迦(せいたか)の二童子を従えています。明王は、やや面長で、両眼を見開き、上下の牙をむき出して下唇をかたく結び、上唇をおおっています。随所に渦巻く頭髪は一部を垂れ、頭の前面には頭飾をつけ、胸のあたりに瓔珞(ようらく)がさがり、大きな臂釧(ひせん)も美しいです。矜羯羅童子は本尊を見上げ、制吒迦童子は赤く描かれ、杖を持ち前方を直視しています。脇侍の姿は、緊張した画面にほのかなゆとりを漂わせています。

 簡素な色彩の中に墨線を生かした描き方、顔貌などに人間臭さがみられ、火焔も形式化が進むのは時代の特色です。また、空間の取り方や不動の立つ岩座、渓流などに山水を含めた鑑賞的要素を取り入れるなど、明朝風の画風による構成から、この画像は鎌倉末から室町時代初期の作に位置づけられています。

 

絹本着色不動明王画像

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