雲版 (国指定)

更新日:2023年03月03日

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この雲版(うんぱん)は、大字下直竹(しもなおたけ)にある曹洞宗長光寺(ちょうこうじ)所蔵のものです。縦59.5センチメートル、横55センチメートル、厚さ1センチメートル、重量15.75キログラムの鋳銅(ちゅうどう)製で、つるし孔は2個、撞座(つきざ)は一方だけの片面式となっています。

 雲版は合図のために打ち鳴らされるもので、主に禅宗寺院で用いられます。

 この雲版は、現存する中世の雲版の中で全国で三番目に古い年紀を持ちますが、保存状態も良く、非常に均整のとれた形をしています。左右両側はすりつぶされていて全文の判読はできませんが、6行の銘文があります。 

右銘文

玉林禅寺 奉施入月□
願諸□□ □入道場
願諸□□ 倶□□□

左銘文

□□□□ □□□□
□□□□ □□□□
正和二年癸亥(ママ)十二月二十一日 大工覚妙

また、中央には、「鳳林山長光禅寺 正和二年壬戌(ママ)二月吉日」の銘文があります。これは後に刻まれたものと考えられますが、正和2年(1313)銘は当初からのもので、長光寺の創建とされる貞治5年(1366)より50年以上も前のものです。

 (現在、埼玉県立歴史と民俗の博物館に寄託されています。)

雲版

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