刀 銘 表 日州古屋之住実忠(にっしゅうふるやのじゅうさねただ)作 裏 永禄十二年五月五日 (県指定)
この刀は、刃長(はちょう)70.8センチメートル、反(そ)り1.2センチメートル、鎬造(しのぎづくり)、庵棟(いおりむね)、地鉄は板目肌、刃文(はもん)はのたれに小互(こぐ)の目、小沸(こに)えつき砂流(すながし)かかり、中程二重刃で、物打ちより上は直刃調(すぐはちょう)、帽子はわずかに乱れ込み、丸く浅く返ります。中心(なかご)は生(う)ぶ、鑢目(やすりめ)はわずかに勝手下がりです。
銘は表が「日州(にっしゅう)古屋之住(ふるやのじゅう)実忠作(さねたださく)」、裏には「永禄(えいろく)十二年五月五日」とあります。
実忠(さねただ)は、室町時代末期の刀工で、日向実昌または実正の子とされます。姓は田中氏、日向国(宮崎県)綾(あや)の古屋に住み、藩主伊東氏に仕えたといいます。
ただし、実忠の天正2年(1574)作の銘字が、新刀の祖とされる堀川国広の古屋打ちそのままであったり、また田中家系図に、国広の父は実昌の子とあったりするなど、実忠は国広と同人とも考えられています。
日州刀工は天文・永禄頃には実の字が通字ですが、天文頃から国の字になり、一族の改名があったと言われています。

この記事に関するお問い合わせ先
教育委員会 教育部 生涯学習課
電話番号:042-973-3681 ファクス番号:042-971-2393
お問い合わせフォーム
更新日:2023年03月06日