藤枝太郎打刀 (市指定)
藤枝太郎打刀(ふじえだたろううちがたな)は、刃長83.3センチメートル、反(そ)り0.8センチメートルで直刀に近い刀です。鎬造(しのぎづくり)、庵棟(いおりむね)、地鉄は板目肌、刃文は鎺(はばき)より20センチメートルほどに互の目を焼いています。その先はのたれ調に異風の直刃(すぐは)、帽子は乱れ込んで小丸に返ります。中心(なかご)は生(う)ぶ、鑢目(やすりめ)は筋違いです。
銘は表に「応松平忠道好藤枝太郎英義作之」、裏に「元治二丑年二月日」とあります。
作者の藤枝英義(ふじえだてるよし)は、文政6年(1823)に上州(今の群馬県)で生まれました。名は繁太郎(太郎作)と称しました。天保7年(1836)頃、父の玉鱗子(ぎょくりんし)英一は松平家の家臣である藤枝家を継ぐために家族を連れて川越に移っています。英義は刀鍛冶を、父や当時の名工である細川正義に学んだことから銘を太郎英義と名乗っていました。その作刀は、造り込み、鍛錬、焼き入れなど丁寧で真面目な作風を示し、また出来映えにもむらがありません。明治9年(1876)に54歳で没しました。

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更新日:2023年03月02日