福徳寺阿弥陀堂 付厨子一基 (国指定)
大字虎秀(こしゅう)にある福徳寺阿弥陀堂(ふくとくじあみだどう)は、間口、奥行ともに3間4面板壁造りの廻縁(まわりえん)付きで、前面は精巧な蔀戸(しとみど)となっています。屋根は銅板葺き宝形造(ほうぎょうづく)りで、その勾配が美しく、頂には露盤(ろばん)・宝珠(ほうじゅ)が載っています。また内部は後方に寄せて来迎柱(らいごうばしら)をたて禅宗様須弥壇(ぜんしゅうようしゅみだん)が据えられています。
阿弥陀堂の創建年代は明らかではありませんが、様式手法により鎌倉時代末期とされ、藤原期の流れを踏襲(とうしゅう)した、関東地方でも数少ない和様(わよう)建築です。一方内陣の須弥壇と来迎壁廻りは室町時代に属するものとされています。また、厨子(ずし)は檜(ひのき)の白木造りで、簡素で省略も目立ちますが、木鼻(きばな)の特徴や欄間(らんま)のすかしなどから、桃山時代前後と考えられています。厨子には鉄造阿弥陀三尊(てつぞうあみださんぞん)立像(県指定文化財)が安置されています。
なお、昭和31年の復原修理により、側廻り柱間装備を復旧するとともに小屋組を旧に復し宝形造りに改め、茅葺(かやぶき)を銅板葺に変更するなどの整備が行われました。

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更新日:2023年03月02日