常楽院不動堂 付棟札二枚扣帳二冊 (県指定)
大字高山にある常楽院不動堂(じょうらくいんふどうどう)は、柱間五間四面で、三間に二間の内陣の前に、三間に一間の礼堂(らいどう)がつき、その周囲に一間通りの庇(ひさし)を廻した形式で、内陣と外陣(げじん)の境を格子戸(こうしど)で仕切った密教仏堂の特色をそなえています。
身舎(もや)はすべて円柱で、柱筋もよく通り古い形式です。内陣左右には壇を構え、堅固な構造となっていますが、縦横に組架けた小屋組を見せているのは珍しいです。内陣背面の中の間は来迎壁(らいごうかべ)で、禅宗様の須弥壇(しゅみだん)を構え、大小三つの宮殿を安置しています。さらに外陣は開放的な作りとなっていますが、その上部の架構(かこう)は古い形式を踏襲しています。
また、外部も、禅宗様の細部が混用されている以外は、長押でかためた軸部や連子窓(れんじまど)、柱頭の組物や軒廻りは和様となっています。屋根は入母屋(いりもや)茅葺(かやぶき)をトタン瓦棒葺に改修しています。
天保2年(1831)の棟札には、棟梁4名の墨書をのせ、また当時県下でも著名な名匠を後見とするなど、一山をあげての復興事業の跡が窺えます。
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更新日:2023年03月01日