店蔵絹甚 (市指定)

店蔵絹甚(みせぐらきぬじん)は飯能の市街地・大通りのランドマーク的建造物です。通りに面して店蔵(店舗)、その奥に居宅(住居)、中庭を挟んで奥に土蔵の3棟の建物が所在しています。店蔵は明治37年に篠原甚蔵・長三によって建築されました。当時、甚蔵は絹甚で絹の買い継ぎ商を営み、繭や生糸、蚕種(さんしゅ)、絹織物を取り引きしていました。
居宅は店蔵建築直後の建築とされ、土蔵は江戸末頃の建築と推測されています。平成19年度に復原修理工事を実施し、明治期の姿に復原されました。
店蔵は、土蔵造り二階建て、切妻瓦葺き、黒漆喰仕上げで、人見梁は欅の一本梁で60センチメートル×25センチメートルの太さで来客者を圧倒します。框や大黒柱も欅材を使用し、全ての材が太いものを用いています。贅の限りを尽くした建物と言えます。下屋と座敷の境には揚戸が設置され、三段の板戸が人見梁の裏側に収納されます。
二階の窓は広い開口を有し、通風や採光等の居住性を優先しているため耐火構造には欠けます。これは、飯能が過去に大火の体験をせずに済んでいることが影響しているものと思われます。
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更新日:2023年03月01日