二丁目山車 (市指定)
二丁目山車(にちょうめだし)は、明治初年に旧砂川村五番組(現立川市)で建造され、大正9年(1920)に飯能二丁目地区が取得したものです。当初は「八王子型人形山車(はちおうじがたにんぎょうだし)」という、屋根中央部に一本柱を立ち上げ、先端の台座に人形を飾る形式でした。取得後に電線事情のため平屋根に改修されましたが、平成22年度から24年度にかけて復原修理が行われ、現在は建造当初の人形山車の姿に復されています。
構造は梁間1間、桁行2間取りで、台輪上に6本の柱を立て、前部が囃子舞台・後部が楽屋の2部構成です。単層唐破風屋根銅板葺きで格子垂木、台座四方に擬宝珠高欄を巡らし、楽屋脇には脇障子を立てています。車輪は四つ車で前輪は馬車式です。
鬼板(おにいた)・懸魚(げぎょ)・脇障子(わきしょうじ)・妻飾り(つまかざり)など約40ヶ所にものぼる彫刻は、鶴・亀・竜・鳳凰などの瑞獣や浦島太郎と竜宮乙姫、金太郎と山姥といったお伽話を題材に江戸後藤派系彫刻師の手によるものとされ、現存する南関東の山車彫刻のなかでも優れた作品の一つに数えられます。
当山車には領収証など取得時の経緯や改修の様子が解る文書が多数現存するとともに、江戸後期から明治前期にかけて八王子周辺地域一帯で盛んに建造された「八王子型人形山車」の遺構を有していることからも貴重です。
毎年11月の飯能まつりで曳行されますので、ぜひご覧ください。

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更新日:2023年03月02日