落合家人形芝居及び説経節関連資料(市指定)
説経節は、説経浄瑠璃とも言い、仏の教えを広めるための説経に節をつけたものを起源とする芸能です。江戸時代に三味線の伴奏や人形芝居を取り入れて流行します。一時は、義太夫など他の芸能に押され衰退したこともありましたが、再び興隆し多摩地域や埼玉県西部地域、秩父地域など江戸近郊の各地にも広がっていきました。昭和に入ると、浪花節や講談など他の演芸に人気を奪われたことや映画・ラジオなど娯楽の多様化、戦争の激化などもあり衰退していきました。
今回指定された資料を所有している落合家は、山林経営などの傍ら幕末から昭和初期にかけて、説経節を伴奏に演じる人形芝居の座元として、また説経節の語り手である太夫として活動してきました。戦後、同家では説経節を演じることは無くなりましたが、これらの資料を今日まで大切に守り伝えてきました。
当資料群は、大きく2つの種類に分けることができます。ひとつは、人形芝居に用いた資料で、人形、衣装、小道具や舞台装置などがあります。もうひとつは、説経節関連資料で、語り手である太夫の衣装や台本などがあります。
当地でも流行した芸能である説経節及び人形芝居に関するまとまった資料群であり、かつての当地における文化・芸能の姿を現在に伝えるものとして大変貴重です。

写真左は、三番叟の人形です。落合家の人形(完形)13体の中で代表的な1体です。
写真右上は、人形芝居で使われた様々な道具類です。
人形の大きさに合わせてすべての道具類が小さめに作られています。細部までこだわって詳細に作られているものがある反面、舞台に置いて使う道具類は細部が簡略化されています。 演目により様々な小道具が用いられたため、多くの数が残されています。
写真右下は、台本です。書き込みがなされているものもあり、実際に舞台で使われていたものも含まれています。
「義経奥州落」や「小栗判官一代記」などの定番物のほかに、「飯能乃嵐」や「飯能乃重忠譚」などのご当地ものもみられます。
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更新日:2023年03月02日