島崎家五輪塔 (市指定)

更新日:2023年03月14日

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島崎家五輪塔(しまざきけごりんとう)は。高さ59センチメートルを測る砂岩製の石塔です。下から地輪・水輪・火輪・空風輪の順で積み上げられ、破損もなく完全な形で遺っています。

地輪から空風輪までの各部材の四面には、それぞれ発心・修業・菩提・涅槃と字体を変えた五大(地・水・火・風・空)の種子が刻まれています。地輪には供養の対象となった人物の法名である「比丘尼心蓮」と刻まれています。また、年号「建武元年 六月四日」も刻まれています。これらの銘文から鎌倉幕府が滅亡した翌年(1334年)に、ある女性の供養のために建てられた石塔であることが分かります。

島崎家五輪塔が遺されていた正願寺(しょうがんじ)墓地の墓塔群は、近世に願成寺(がんじょうじ)の墓地から移されたと言われています。その中に島崎家五輪塔が含まれていたとすると、島崎家五輪塔の造塔者も願成寺板石塔婆(いたいしとうば)の造塔者と同じく、願成寺を菩提寺としていた武士団の一員であった可能性があります。

島崎家五輪塔の建武元年という年号は埼玉県内で三番目に古く、最初期の中世五輪塔が完全な形で遺されていたという点でも大変貴重です。

島崎家五輪塔

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