野口観音堂奉納経 付奉納箱 (市指定)
野口観音堂奉納経(のぐちかんのんどうほうのうきょう)は、大字中藤下郷(なかとうしもごう)にある野口観音堂に納められた巻子本です。28巻が箱に納められた状態で奉納されており、うち27巻に観音経が、1巻に真言が書写されています。
奉納経は小瀬戸で名主の後見役をしていた野口忠左衛門の妻によって享保6年(1721)から同16年(1731)にかけて写経され、寛保3年(1743)に箱に納められ奉納されました。野口忠左衛門は銅板経を納入した宝篋印塔(ほうきょういんとう)も建造しており、夫婦の信仰心の篤さがうかがわれます。
写経は、全て仮名文字によるもので、巻子本一巻には観音経が三回書写されています。巻子の表紙裏には「享保○年○ノ○月 奉納普門品三巻武州高麗郡小瀬戸村野口忠左衛門内」と書かれています。巻子本の芯は両端に円錐形の小さな木軸を差込み巻き込んでいます。奉納経は幅24.6センチメートル、長さ約6.6m、奉納箱は縦30.5センチメートル、横107.8センチメートル、厚さ6.5センチメートルです。
野口観音堂奉納経は、当時の信仰形態を知る資料として、また当時の女性が遺した資料として貴重です。
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更新日:2023年03月14日