木造千手観音立像 (市指定)
木造千手観音立像(もくぞうせんじゅかんのんりゅうぞう)は、大字上名栗(かみなぐり)の山中にあるお堂の本尊として伝わっている仏像です。 像高は144センチメートル、寄木造で彫眼(ちょうがん)、頭上に仏面及び変化面をいただき、身体の正面に合掌、持鉢の二手、左右の側面に多数の脇手を配した通例の千手観音像です。
躯体の左右に配された脇手は現在では各々十手に満たない状態ですが、当初は二十手ずつを配し、正面中央の二手を合せた四十二臂(ひ)像であったと考えられます。頭部と体幹部は前後二材からなり、体幹部三道下で着首としているようです。
破損や後補が目立ちますが、造形の特徴からすると、頭部と体部は時代が違うようです。仏頭の製作時期は鎌倉時代前半頃、体部は室町時代後半頃と考えられ、何らかの事情で仏頭のみを遺すことになった旧仏を後世になって躯体部を補って再興復原したものと考えられます。

この記事に関するお問い合わせ先
教育委員会 教育部 生涯学習課
電話番号:042-973-3681 ファクス番号:042-971-2393
お問い合わせフォーム
更新日:2023年03月02日