木造十一面観音立像 (市指定)
木造十一面観音立像(もくぞうじゅういちめんかんのんりゅうぞう)は、大字上名栗(かみなぐり)の柏林寺(はくりんじ)と呼ばれるお堂に本尊として安置されています。
像高88センチメートル、寄木造(よせぎづくり)、玉眼(ぎょくがん)、漆箔(しっぱく)で作られており、右手持物の錫杖(しゃくじょう)は失っていますが、頭上に十個の変化面を戴き、左手に水(すいびょう)を取り、磐石上に立つ長谷寺式の観音像で、柏林寺の山号が長谷山であることからも十一面観音だということがわかります。
形式化は強いものの入念な作風を見せています。光背、台座(一部欠)も当初のものとみられます。
江戸時代に編さんされた『新編武蔵風土記稿』の秩父郡上名栗村の記述には、柏林寺について次のような記述があります。
「小名柏木にあり、長谷山と号す。曹洞宗にて高麗郡飯能村能仁寺末なり。本尊十一面観音を安ず。往古は千体観音安置し堂なるを、寛文年時御縄入のとき、空心坊という守堂の僧願により、一段の地を除せられしより一寺となれるよし、開山は能仁寺中興泰州、正徳3年5月29日化せり」

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更新日:2023年03月02日