木造聖観音立像(市指定)
本像は、大字白子にある長念寺本堂の本尊です。寄木造、玉眼(ぎょくがん)、肉身(にくしん)部は弁柄漆地(べんがらうるしぢ)に金泥彩(きんでいさい)、着衣は薄めの赤色彩(せきしきさい)です。綺麗に櫛(くし)けずった高い宝髻(ほうけい)を結い、像高は104.5センチメートルを測ります。
細身で均整の取れた体躯(たいく)をもち、下半身をつつむ着衣の衣文(いもん)表現も簡潔優美(かんけつゆうび)な趣があり、総じて端正かつ整斉観(せいせいかん)のある像容(ぞうよう)表現をみせています。彫技(ちょうぎ)は堅実で、胸から腹部にかけての肉身表現や着衣の衣文表現は誇張を抑えた洗練度の高い仕上げとなっており、本像の作者が熟練した腕の持ち主であったことを覗わせています。様式的には鎌倉時代前期の慶派正系(けいはせいけい)の菩薩像に倣うものとみなされますが、全体的に形式化・類型化が認められる造形となっているところから、製作年代は、鎌倉時代末から南北朝時代にかけてのころと推定されます。
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更新日:2023年03月02日