令和8年度国民健康保険税の税率等改正について
「医療費の増加」と「子ども・子育て支援金制度」の開始等に伴い税率改正を実施します
本市では次の理由等により、令和8年度の国民健康保険税の保険税率を改正しました。
1. 医療費支払額の増加
2. 子ども・子育て支援金制度の開始
3. 国民健康保険の広域化への取組み
1. 医療費の増加
私たちの医療費は高齢化や医療技術の進歩などで年々増加しています。
日本全国の医療にかかる費用を表す国民医療費は、過去10年間で約2割(7兆2,844億円)増加し、令和7年度には50兆円を超える見込みです。
(下図参照)

一方で、本市の国民健康保険の医療費は、被保険者数減少の影響などにより、過去10年間で 医療費総額は約1割減少していますが、1人あたり医療費は約3割増となる約36万円に増加しています。
(下図参照)

令和8年度も1人あたり医療費の増加が見込まれていることなどから、埼玉県に支払う納付金(注釈1)は令和7年度より約6,600万円増加しています。
(注釈1) 法律により国民健康保険は平成30年度に都道府県単位に広域化しました。広域化以降は、国民健康保険の被保険者が病院等で支払った一部負担金(3割、2割、1割)を除く医療費(保険給付費)は市町村が病院等の請求により全額を支払いますが、その後、都道府県から医療費相当額を普通交付金として交付を受けることで、高額な医療費請求があっても支払える仕組みとなりました。なお、都道府県が市町村に交付する普通交付金の財源は、国と都道府県からの負担分と、市町村から都道府県に支払う納付金になるため、医療費が増加すると各市町村が支払う納付金も増加します。

2.子ども・子育て支援金制度の開始
子ども・子育て支援金(注釈2)は、子ども・子育て支援法に基づき、社会全体で子育てを支えるための財源として、令和8年度から高齢者を含む全世代が加入する医療保険の仕組みにより徴収することになりました。
令和10年度までの3年間で段階的に増額し、それ以降の増額予定はありません。納付いただいた支援金は、法律に基づき児童手当や保育など現役世代の子育て支援に使用されます。
本市の国保では、新たに子ども・子育て支援金課税分として、令和8年度は、所得に応じて課税される所得割を年率0.24%、全被保険者が均等に負担する均等割を年額1,600円(注釈3)として課税します。
子育てが終わった方や子どもがいない方にも、支援金の負担をお願いすることになりますが、少子化が進む日本において、少子化対策が将来の国の経済や地域社会の維持、国民皆保険制度の持続可能性を高めることにつながりますのでご理解をお願いします。
(注釈2) 詳細はこども家庭庁ホームページ「子ども・子育て支援金制度について」をご確認ください。

(注釈3) 18歳未満の子どもにかかる均等割は免除され、その免除された費用を公費と18歳以上の被保険者で負担します。なお、本市では、均等割1,600円のうち、100円をその費用に使用します。
3.国民健康保険の広域化
医療費の増加を含む国民健康保険の構造的な問題(注釈4)を解決するため、法律により、国民健康保険は、平成30年度から都道府県単位に広域化されました。同じ所得水準、同じ世帯構成であれば、同じ都道府県内どこに住んでいても同じ給付と同じ負担(保険税)になるよう、埼玉県の指導助言を受けて、県内市町村では、埼玉県が示す標準保険税率(注釈5)を基本とする保険税率への改正を実施しています。
(注釈4)構造的な問題とは、被保険者の年齢構成が高く医療費が増え続けていること、所得の低い方が多く保険税負担が重いこと、小規模な市町村では国民健康保険の財政運営が不安定になりやすいこと、同じ医療を受けているのに、各市町村で保険税率が異なることなどがあります。
(注釈5)標準保険税率とは、国が推計する医療費の伸び、被保険者数、所得の推移から、翌年度に各市町村が国民健康保険の運営に必要な財源を得ることができる保険税率を都道府県が毎年市町村ごとに算出し、各市町村の翌年度保険税率の参考にするよう示したものです。
(参考)埼玉県の国民健康保険広域化計画
埼玉県は、令和5年度12月に埼玉県国民健康保険運営方針(第3期)を策定し、次のスケジュールにより令和12年度に県内市町村の保険税を統一します。

(注釈6)国民健康保険特別会計で不足する金額を一般会計(自治体が日常の行政サービスを提供するために使う予算で福祉、教育、消防、道路の維持費など、広く一般的な事業に使用する会計)から市町村独自の判断により法律の定めのない繰入れをするもので、赤字補てんとみなされています。
埼玉県国民健康保険運営方針(第3期)(令和6年度~令和11年度)(PDFファイル:2MB)

4.飯能市国民健康保険の現状
本市の国民健康保険も次の問題を抱えており、1人あたり医療費の増加と被保険者数の減少に伴い国民健康保険の実質的な収支は赤字になっているため、一般会計からの法定外繰入に頼った運営をしてきました。
【現状1】 本市の被保険者数は、団塊世代の方が後期高齢者医療制度(75歳~)へ移行したことや国の方針による社会保険の適用拡大等により、過去10年間(H27~R6)で約3割(6,759人)減少しています。
(下図参照)

【現状2】本市の国民健康保険被保険者の年齢は、60歳以上が約6割を占めています。
(下図参照)

【現状3】本市の国民健康保険医療費は、10年間で総額の約1割が減少しましたが、1人あたり医療費は約3割増加しています。
(下図参照)

【現状4】単年度収支差額(基金繰入、前年度繰越金を除く歳入総額から基金積立金を除く歳出総額を引いた単年度の収支差額)は、令和3年度から4年連続の赤字でした。
(下図参照)

【現状5】このような赤字を埋めるため、これまで一般会計からの法定外繰入により運営をしてきました。
(下図参照)

5.埼玉県の法定外繰入に対する考え方
国民健康保険は、被保険者の皆様からの保険税収入(約2割)、国の交付金(約4割)、社会保険からの前期高齢者交付金(約3割)で構成され、約2割となる保険税負担を軽減するため、これまで各市町村の判断で法定外繰入を実施してきました。
なお、令和7年度は、県内63市町村中、本市を含む44市町村が法定外繰入を実施し、本市では1億3,400万円を一般会計から国民健康保険特別会計に繰入れています。
国民健康保険広域化の責任主体である埼玉県は、法定外繰入の有・無の団体があると、被保険者負担の公平性を保つことができないことから、県内全市町村で法定外繰入は令和8年度までに解消することになりました。

6.令和8年度国民健康保険税率の改正について
このような現状がある中で、本市では、埼玉県の運営方針に従い、令和8年度から一般会計からの法定外繰入に頼らない国民健康保険運営になりますが、令和8年度は、1人あたり医療費の上昇に加え、新たに子ども・子育て支援金の開始に伴い、埼玉県に支払う納付金が増加していることや、国民健康保険の貯金にあたる国民健康保険財政調整基金の残高が減少していること、埼玉県に返還する償還金(注釈7)の費用を計上したことから、令和7年度予算に比べ約2億9,300万円の歳入が不足する見込みです。この不足分を解消するため、埼玉県の示す標準保険税率を基本とする保険税率に改正します。

本市の国民健康保険財政調整基金の残高の推移毎年度不足する収入額を補うため、国民健康保険財政調整基金を取り崩してきました。
(下図参照)

(注釈7)平成30年度以降、医療費(保険給付費)は市町村が病院等に全額を支払い、その後、都道府県から医療費相当額を普通交付金として交付を受けていますが、医療費の請求誤り等で、市町村に医療機関等から医療費の返還があった場合は、既に医療費相当額の普通交付金を都道府県から交付されているため、年度末にまとめて都道府県に償還金として返還しています。
償還金は、これまで前年度からの繰越金を活用していましたが、今後、国民健康保険の貯金である国民健康保険財政調整基金の残高も少なく、繰越金の額も不明なことから過去5年間の平均額を予算計上しました。
【埼玉県が示す飯能市の標準保険税率】
標準保険税率とは、都道府県が翌年度の県内の国民健康保険の医療費総額の見込みを立て、被保険者数や所得総額に応じて市町村ごとに事業費納付金の額を決定しています。市町村は翌年度に都道府県に事業費納付金を支払うことになりますが、一般会計からの法定外繰入等を行わずに被保険者の皆様からの保険税率で必要な財源を確保できる税率を県が示したものが、標準保険税率になります。
標準保険税率は「県算定方式(注釈8)」と「市町村算定方式(注釈9)」の2つが示されており、埼玉県の国保運営方針では、令和9年度以降は県算定方式で統一されます。
<令和8年度県が示した本市の標準保険税率>

(注釈8)県算定方式とは、過去3年間の所得総額と各年度の被保険者数から1人あたりの所得を求め、令和8年度に想定する被保険者数を乗じて求めた所得総額に、令和7年度の税制改正の影響や県統一基準(所得割・均等割比率53対47、国と同じ賦課限度額等)を使用して算定したものです。なお、埼玉県は令和8年度の本市の所得総額が減少すると見込み、市町村算定方式より保険税率を高く設定しています。
(注釈9)市町村算定方式とは、令和7年8月末の本市の被保険者の所得総額を使用し、令和8年度も所得総額が変わらないものとして、本市独自の基準(所得割・均等割比率57対43、国から1年遅れの賦課限度額等)を使用して算定したものです。
【市町村算定方式を基本とした保険税率の採用】
令和9年度の準統一の前年度となる令和8年度は、一般会計からの法定外繰入を実施しなければ、標準保険税率の「県算定方式」、「市町村算定方式」、「独自の保険税率」のいずれかを選択できましたが、令和8年度に見込まれる不足額(約2億9,300万円)をまかなうため、県算定方式と市町村算定方式を使用した場合の増加額を算定した結果、県算定方式では約3億9,251万円の増収(令和8年度不足額より約1億円の増)、市町村算定方式では約2億6,794万円の増収(令和8年度不足額より約2,500万円の不足)になる結果となりました。

この結果、被保険者負担の抑制のため、「市町村算定方式」を基本とし、均等割の千円未満(子ども・子育て支援金は百円未満)を切上げることで、約2億9,396万円の増収となり、令和8年度に想定される不足額をまかなうことができる見込みとなったことから、令和8年度国民健康保険税率を次のとおりとしました。
【令和8年度飯能市国民健康保険税率】
飯能市国民健康保険被保険者の負担を抑制しつつ、医療費の増加及び法定外繰入の解消等による不足額を賄うため、埼玉県の示す標準保険税率のうち、被保険者の負担が低い市町村算定方式を基本に、令和8年度国民健康保険税率(注釈10)を次のとおり改正します。

(注釈8)所得割の税率改正は、医療保険分が平成28年度改正以来10年ぶり、後期高齢者支援金等分と介護納付金分が令和4年度改正以来4年ぶりの改正になります。
均等割の税率改正は、医療保険分が令和6年度改正以来2年ぶり、後期高齢者支援金等分と介護納付金分が令和4年度改正以来4年ぶりの改正になります。
なお、令和9年度の国民健康保険税の準統一、令和12年度の完全統一に向け、今後は県の示す標準保険税率のうち、県が本市に示す県算定方式(飯能市)の保険税率を使用して賦課をしていきます。
【令和8年度国民健康保険税のモデルケース】
所得額と家族構成のモデルケースにより計算した改正後の保険税額は次のとおりです。

(注釈11)家族構成が2人のモデルケースは、共に40歳以上の本人及び配偶者(給与収入55万円以下の専業主婦)の夫婦、家族構成が3人のモデルケースは、40歳以上の夫婦と小学生1人、家族構成4人のモデルケースは、40歳以上の夫婦と小学生2人で計算しています。
(注釈12)本市の国民健康保険税の納期は、年間保険税を10期に分けてお支払いをお願いしているため、1期あたりの増加額を示したものです。
下記ページ国民健康保険税の試算ができます。
【県内各市町村の改正状況】
県内各市町村においても、令和8年度の国民健康保険税は、埼玉県の運営方針に従い法定外繰入を解消し、埼玉県の示す標準保険税率を基本とした保険税率に改正しています。
埼玉県の調査によると、令和8年度に保険税率を改正する市町村は、県内63市町村中59市町村で、国民健康保険税率の平均(注釈13)は、所得割が13.00%(本市税率より0.22%高い税率)、均等割が74,208円(本市税率より3,392円低い税率)で、保険税率の高い順で順位をつけると、本市の所得割が39位、均等割が24位になりました。
また、近隣市との比較でも、保険税率の高い順で順位をつけると、西部11市(注釈14)中、本市の所得割が10位、均等割が6位になりました。

(注釈13)保険税率の平均は、医療保険分、後期高齢者支援金等分、介護納付金分、子ども・子育て支援金分の合計額になります。
(注釈14)西部11市とは、川越市、所沢市、飯能市、東松山市、狭山市、入間市、富士見市、ふじみ野市、坂戸市、鶴ヶ島市、日高市の11市になります。
7.賦課限度額の改正について
令和7年3月31日に公布された法律(地方税法施行令の一部改正)により、医療保険分と後期高齢者支援金等分の賦課限度額(注釈15)が次のとおり改正されていますので、本市でも令和8年度から賦課限度額の上限を引上げます。

(注釈15)国民健康保険税は、保険税額が賦課限度額以上になる場合には、賦課限度額を上限として課税をしています。なお、保険税率の引上げのみで必要な保険税収入を確保した場合、高所得層の方の負担は賦課限度額のまま変わらず、中間所得層の負担のみが重くなることから、高所得層にも均等に負担をしていただくため、本市でも国の基準に従い賦課限度額を引上げているものです。
8.医療費の増加を抑えるために
埼玉県の国保運営方針に従い、令和9年度以降の保険税率は県内の医療費、被保険者数、所得の推移を基に埼玉県が毎年度示す標準保険税率(県算定方式)に従い改定します。
保険税率の上昇を抑えるためには、医療費の増加を抑えることが必要です。
一人ひとりが日頃から健康に気をつけ、私たちにできる次のような医療費削減に取り組むことが重要になります。

国保は、私たちが病院等を受診した時の経済的負担が軽くなるよう、加入者が国保保険税を出し合い、みんなで助け合う相互扶助の社会保障制度です。
医療費増加が続く健康保険制度の維持のため、ご理解をいただきますようお願い申し上げます
保険税率の統一、法定外繰入の解消等の計画についての詳細は、埼玉県庁国保医療課のホームページをご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ先
健康福祉部保険年金課
電話番号:042-973-2117
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更新日:2026年05月07日